家元の花嫁【加筆修正中】


その後、彼女が理由を尋ねて来た。

――――そこまでは俺も覚えている。



気が付いたら、彼女に『俺と結婚しろ』と口走っていた。


はぁ、マジで情けねぇ。

………テンパリ過ぎだろ。



確かにお金を用立てる代わりに、交換条件を出そうかと思っていた。

けれどそれは『結婚』ではなく、『デート』でもして貰おうかと。



自宅に『女の子を連れて帰る』と両親に話したら、

『結婚したい相手』だと勘違いしていたのは言うまでもない。


俺は『友人の妹』として、暫く預かろうとしていただけ。


なのに―――…………。

実際会話をしたら声や仕草まで可愛くて、

思わず、顔が綻んでいた。



マジでこの子があんな酷い境遇なのかと思ったら、

口走っていたんだ―――――思わぬ方向に………。



何とかして助けてやりたい。

出来る限りの事をしてやりたい。


――――今すぐ、

この俺が――――。



気が付いたら『プロポーズ』してたという訳。


彼女はかなり気が動転してるけど、

両親の許可も得た事だし………――……


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