家元の花嫁【加筆修正中】


家に着くと、ゆのは部屋ですでに寝ていた。


母さんが言うには‘頭痛がする’って。


本当に体調が悪いのか?


だから、怒ってるみたいな顔をしてたのか?


本当のところ、分からない。


もし、本当に具合が悪いなら、寝てるところを起こすのは良くないよな?


俺は渋々部屋に戻った。


すると、テーブルの上に1枚の紙。



『26日のバイトはお休みを貰いました。』


と、書かれていた。


ゆのは昨日の約束を覚えていたんだ。


たった一行のメモなのに……。


俺はメモを手に、さっきまでの焦りや苛立ちが、嘘のように消えて行った。


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