ホームレスな御曹司…!?
「ケ、ケーサツぅぅぅ!!」


「シッ!騒ぐなよッ!ちゃんと事情は説明するからッ」


「ムグッ!」


身なりとは相異なった長くしなやかな手で口を封じられると同時に包まれる不快な匂いに、気絶寸前。


二日酔い+この匂いは…耐えられないっ!!


「ン…ンッ!!」


「騒ぐなっつーのッ!」


凛の名前を口にしてた事と、とりあえずこの匂いから逃れたい一心で、男の人を見つめて頷いた。


「ちゃんと話すから、さ」


「ハ…ハイ…」


身なりとは違う品の良さそうなしなやかな手と茶色がかった瞳、甘めの透き通った声。


この人…何者…?
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