朝の吸血鬼(編集中)

いつも茶色だった弁当箱に、緑色の具材が占める面積が増え始めていた。

最近、やつれてきたのを母が気付いたのか、

それとも、

いつも変な独り言を呟いているのを、隣りの部屋に暮らす歳の離れた姉が聞いて、母に密告したのか、、、

事実関係は、よく分かっていない。


明日からついに、待ちに待った少し長めのゴールデンウィークに入る。


玉子焼きに刺した箸が中々抜けず、奮闘していると、誰かが声を掛けてきた。


不意に声の主が分かって、ビクッとした。


声を掛けてきたのが、あの後藤田だと分かったからだ。

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