朝の吸血鬼(編集中)

冷たい汗が背中に流れた。


まさか、昼休みに後藤田が＂こんな所＂に来るとは想像もしていなかったからだ。


噂では、彼女はいつも昼休みには集会のメンバーとラウンジにいるか、図書館にいると聞いていた。


まずい。

これは決してお弁当に対する感想では無い。


『ほら、玉子焼きまだあるから。もっと食べなさい』


後藤田に見つかると1番まずいのだ。

玉子焼きなどを、のんきにつついてる場合では無いのだ。


ここ屋上は、生徒には人気のない、昼休みの俺のお決まりの場所(安息地)だった。


『ん？、あら後藤田さん。なに、あなたもお昼はここなの？』


もう、目を瞑るしかない。


後藤田の荒くなった呼吸音が、まるで放送室の中でチャイムを聞いているかのように、痛烈に耳に響いた。


宮島たか子は、


『それとも、私のオトウトに何か用だったのかなぁ？』


年の離れた、俺の＂義姉＂なのだ。