君にゾッコン!
「ねえ、まな」

水沢って吹奏楽部だっけ。
おさぼりは部活馬鹿さんが、どうやっても許さんでしょう。

「ねえ。まな」


「おお!まな…ってゲッ怜奈…」

「りほちゃん、るか…。」

「みんなこんな時間、ここにいるんだ」

「…」

「何してんの?みんなで。学校おわったの4時だよね。
今5時だよ?みんな、塾は?家庭教師は?どうしてここにいるの?私はね。なんでいるか教えてあげる。人が集まらなかったから、早めの解散になったんだよ?みんなメイクばっちりだね。
塾ってそんなに気合いいれていくとこなんだ」

「…う」

「むかつく。あんたら。」

「なんなのよ!部長だからって。えらそうに説教して」

女の子ってこわ。
ってか向坂さんの顔いつもと全然ちがうよ!

「…一発。やらせて。そしたら気が済むから。」

『ぶしゅッ』

んんん?なんかすごい音したよ?

「怜奈ってサイテー」

「一回さぼったくらいで回し蹴りはないでしょ!」

「一回だって、二回だってかわんないよ!私はただ、みんなで金賞がとりたいの!なんでみんなわかってくれないのよぅ」

「ねえ、怜奈。今日ので気悪くした。るか、部活やめるね?」

「え??」

「りほも。」
「…私も」

「ってことだから。じゃああねえええ!」

「待ってよ!」

「待って!」

誰一人、振り返らなかった。










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