君にゾッコン!
「うう…」

顔を覆ったって無駄だって。
涙はもうとっくにこぼれおちて、アスファルトにしずくを落としている。

おれの体は考えるよりも先に動いていた。
崩れ落ちる彼女の小さい体をしっかりと。強く。強く。抱きしめていた。

「…うう」

「…泣くんだったら、こらえずにおもいっきり、中途半端じゃなく泣けよ」

「…うううううわーーん」

彼女は声を張り上げて泣いた。
落ち着いてから、彼女とおれは話しをした。

「ねえ、宮田くん。」

「なに?」

「部活馬鹿って…うざいのかな?」

「ふふ…それ?おれにきく?」

「え?」

「わかんねーよ。だっておれも部活馬鹿だもん。」

「吹部…。どうなるのかな」

「向坂さんがいるから、なんとかなるよ。」

「…私がいてもなにも変わんないよ。」

「…あのね。この前、サッカー部も一人やめたんだ。しかも3年。そいつ、おれがうざいって最後に文句いってやめていった。おれだって
、へこんだわ。そりゃ。うざいって正々堂々いわれたんだもん。そしたら、みんなが言ったんだ。
『部活馬鹿がいると部活が締まる。部活馬鹿をうざいって言う奴は一生けん命に物事をできない奴だ。』


ってね。向坂さんとこもそうなんじゃね?」

「…ありがとう。」


「いいえ~」

「よしッ!元気でた!」

「しかし、向坂さんかわいいね」

「そりゃどうも」

「よ~し!体力づくりがなんでも基本!私今から走ろうっと!じゃね!」

「待って!おれも一緒に走る!」

「え?私のペースついてこれる?」
おいおい。サッカー部キャプテンなめとんか。

「いけるさ。」

「じゃあ、よ~いスタート!」

「え?向坂さんはや!
< 6 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop