君にゾッコン!
過去
---------2年前

入学式。
真新しい制服がまだなじまない。

そんな制服を身につけて、ひとつ大人になって、少し背伸びをして。

期待、感動、思い出…

たくさんの思いをまだ中学生になりかけの小さな体につめて登校する。

「まな!」

「怜奈!はやくッ!いこう!」

「うん!」

☆☆☆

まなとクラスが分かれて、知ってる人はあまりいないクラスになった。

隣の子たちがなにやら話している。


「何部はいる~?」

「う~ん…決めてないわ。けど吹奏楽部には絶対はいんないから!」

「なんで?」

「お姉ちゃんいるからさ。」

「あ~。姉妹とかいるとこははいりたくないよね~」

「てか、お姉ちゃんどの人?」

「ああ。入場で演奏するらしいから。教えるわ」

「うん」

☆☆☆


『1年生が入場します。温かい拍手でお迎えください。』

♪~

パチパチ…

まばらな拍手のおとが鳴り響く。

あ、吹奏楽部だ。
フルート。
クラリネット。



…ドラム。

吹奏楽部ってこんなかっこいいのあるんだ。


見つめてると、ドラムたたいてる人は、にっこりこちらをむいてくれた。
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