小さな幸せ
暇さえあれば、お邪魔しているあたし。

漫画家さんの仕事場は刺激的で楽しいし、

なんと言っても毬乃ちゃん。


兄弟のいないあたしに初めてできた妹。

可愛くってしょうがない。


毬乃ちゃんも6年生になって恋バナとアイドルの話で盛り上がる。


ブロンドで、すらっと伸びた足はジェニーちゃんみたい。


初めは、お兄ちゃんとられたって感じで

敵意むき出した感じだったけど。


今はすっかり仲良しで、

時間がたつのも忘れて滞在してしまう。


「ああっ、やっぱりここにいた。

 車があるから寄ったんだ。」


「兄貴っお帰り!」


毬乃ちゃんが嬉しそう。


「惣、えへへばれてた?」


「何だよそのカッコ」


「猫耳メイドです。可愛いでしょ。」


「妊婦がコスプレするか?普通。」


「ネット見てたらマタニティでもあるのよ色々。

 思わず買っちゃって…」


お母さんが修羅場の部屋から顔を出した。




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