小さな幸せ

「母さん、引っ越しの荷物がついたみたいだよ。」

「そう、、じゃあ物置に運んでもらって。荷ほどきは必要ないから。」

「母さん大丈夫?」

「うん、、、何?」

「いいよ、母さんは奥で休みなよ、俺が適当にやっておくから。」

「ごめんね、惣、、母さんだめね、、」

「いいよ、ほら、奥に行こう。」

涙をはらはらとこぼす母。いったい何日泣き暮らせばその涙は涸れるのだろう。


父を亡くして49日の法要を寺で行ってすぐ仙台を出た。

母の実家へと身を寄せることになった俺達は、

ばあちゃんの居る離れに間借りすることになった。

母が落ち着くまでの間だ、

親子二人落ち着いて暮らせる場所を探さなくてはならないが、

母がこんなでは、、

まだ中学生の俺にはできないことがありすぎて

目眩がしそうだ。



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