小さな幸せ
「惣さん何が好きですか?」

スーパーによって買い物をすることになった私達

「え、いいよ、何でもお惣菜とか買ってってもいいし、

 適当で。」

「私の料理の腕信用してないでしょ?

 こう見えて調理師免許持ってるんですよ?」

「ホントに?」


「そうですよ、そういう系の大学だったんです。」


「え、でもスイミングとかって体育じゃないの?」


「そう見えます?」


「見えない。」


「でしょ?

 最初の職場人間関係が元でやめちゃったんです。」


そうかあ、となんとなく気まずそうな顔してる


「私の過去はそのうちゆっくり教えてあげますから、

何食べたいですか?和食、中華?洋食?」


「水差して悪いけど、食器とか、鍋とか調味料とか大したものないぞ?」


「じゃあいっそ、そういうのも買っちゃいましょうか?

 2つづつ、ここのスーパーって100円ショップあるし。」


「え、100円の買うの?」


「だから別れるときは捨てても惜しくないですよ?」


「縁起でもない、ちゃんとしたの買う。」


「嘘ですよ、本気で100円ので充分なんですって。」


「いや、断固断る。

 インテリアショップに行く。

 食材はその後だ。」



あらら、意外に頑固。





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