小さな幸せ
戻ってきた彼女は

半分泣きそうな顔でやってきた。


さっきの今で、こうも状況が変わる?


同僚がやめてしまうのが寂しいと

子犬のような目でボロボロと涙をこぼす。


何かしてあげたくて

ティッシュをボックスごと手渡した。


ハンカチじゃ足りないだろう?


それが可笑しかったらしくて笑い始めた。


泣き笑いってこういうのを言うんだな。


「何おかしいの?大丈夫なの。」


「あ、だって土方さん優しいから」


「惣。」


「え?」


「惣って名前で呼んで?」


「そ、惣さん?」


「俺達付き合ってるんでいいんでしょ?なら名前で呼ばない?和実。」


「惣…さん。」


「さんは無しでいいよ和実。」


「惣?」



「よくできました。」


お互いに名前で呼べるようになるのも結構大変だ。



いい年した大人が照れまくりだ



惣SIDE  end

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