赤い狼と黒い兎Ⅱ



「………馨、」

『“ごめん”…はナシな?』




そう言うと、驚いたようにして顔を上げた。


鳩が豆鉄砲を喰らったみたいな顔だな。


そんなにビックリするか?




『お互い様だろ?あたしも、お前も悪い。だから“ごめん”はナシだ』

「………」




嶽は目をパチクリとさせた後、フッと笑みを溢した。




「相変わらずだな…お前…」

『そうか?』

「ああ……。ありがとな、馨」

『!』




まさか、お礼を言われるなんて思ってもなかったから今度はあたしが驚いた。


だって…嶽は何があっても“ありがとう”なんて言わない人だったし…!


あたしのパンチが効きすぎたか!?



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