聖石戦隊 キラレンジャー
「ああ、浮遊島の正体が明らかになるまで、しばらく休校らしいな」

健介は眉をしかめる。

「さっき授業で酒井先生が言ってたんです。あの大地から落ちてきた土は、二千年から三千年以上前のものだって」

「あのマッドサイエンティスト、あほじゃねえの」

春風が恐る恐る話すのに、哲平はからかうように笑った。

「いえ、分かりませんよ。
私ちょっと調べたんです、悪魔のこと。年代ははっきりしなかったけどそれくらい昔からいたようですし、ほら、北東から現れたでしょう?」

健介がはっとする。

「あ、鬼門か」

「そうですね。
それに、本当はみなさんも感じているでしょう、邪悪な気配・・・」

沈黙せざるを得ない。

五人とも薄々感づいていた。

あれが、悪魔の本拠地なのだろうと。

はっきりさせることを避けていただけだ。

「おっし、さっそく乗り込むぜ!」

哲平が湿っぽい空気を払拭するようにガッツポーズをつくった。

「こんな直後に挑んでも、相手の思うつぼだろう」

呆れる陸に哲平はわざと大きくため息をついてみせる。

「わーかったわかった。
じゃあ、夜にでも忍び込むか」

「そう見せかけて昼間。裏の裏は定番ですね」

春風が不敵に微笑む。

「それに悪魔は夜に強いはずですから。
明日、太陽が出てから出発しましょう」



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