聖石戦隊 キラレンジャー
元も見えていたはず。

彼は悔しそうだが、まだ一点だ、そんな表情をしていた。

「そう、その悔しい気持ちをもっとかきたてろ・・・」

ピピー。

1-0のまま、前半終了のホイッスル。

ベンチに戻り、冷たいペットボトルを額に当ててみる。

冷静に考えてもおかしいな、さっきのシュート。元の手が当たった? それとも風でも吹いていたか。

違和感をかかえたまま、後半がスタート。

開始3分で、2点の追加点が出た。

どちらも健介の放ったシュートではあるが、納得できなかった。

ゴール前で座り込む。
元に手を伸ばすと、彼はキッと歯を食いしばった。何も言わなかったが、物凄い屈辱は伝わってくる。

正々堂々じゃなかったのか・・・。

それがだんだん、黒い影となって、元を包む。

「元!?」

彼は一瞬びくついた。

が、そのまま影に飲み込まれてしまった。

「ははは、その精神力、判断力、運動能力、パワーストーンを持っているに違いない! それも無念の気持ちでさらに強くなる!」

悪魔が姿を現す。

「お前は・・・悪魔っ!」

「レラジェ! 貴様も一緒にいただこう!」



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