聖石戦隊 キラレンジャー
「ど、どういう罠なんだ?」

「俺ははっきり聞いたぞ」

「春風ちゃんをふたりに分身する罠?」

「悪魔にメリットがないよそれ」

健介は冷静に突っ込みを入れるが、春風はそれに取り乱した。

いつものおしとやかからは想像できない速さで飛び出す。三人も即行ダッシュで後を追った。

「落ち着けよ、罠かもしれないんだぞ」

「でも、私の代わりに日向子ちゃんが捕まったのかもしれません」

あっ、と、健介も納得した。

立花日向子-たちばな ひなこ-。

春風の双子の姉。性格は正反対だが、見た目はそっくりだ。

「急ごう」

哲平に全員頷く。
唯一運動の苦手な春風の手を引き、スピードを上げた。

工場跡に到着。薄暗い建物内を慎重に進んでいく。

一番奥に悪魔はいた。

「悪魔フルーレティ!
待ちくたびれたぞキラレンジャー! きちんと全員で・・・あれ?」

フルーレティはキラレンジャーと、隣に縛り付けた少女を見比べる。

「やっぱり・・・日向子ちゃんを返してください!」



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