黒縁メガネ男子に恋してる

あたしが雄太を追おうとすると、智哉が横でクスクス笑っている。


「ちょっと、智哉! 笑いごとじゃないでしょ!」


「でも、やっぱり雄太、戻ってきたな?」


「え? やっぱりって?」


「言っただろ。雄太は綾華に弱いって」


「っ……」


あたしが返事につまってると、智哉は、さらに笑みを深くした。


「これで、たぶん、マラソンはしなくて済む。
確定したら、俺の命令、聞いてもらうから、よろしくな」


「あうっ」


そうだった。


バタバタしてて忘れてたけど、“かけ”したんだっけ。

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