黒縁メガネ男子に恋してる

「マジで? 雄太、やってくれたねー」


「ホントだよ。
智哉のおかげでなんとかなったけど、もう雄太、サイッテー」


「でも、あたしがリタイヤしなかったら、そうはならなかったかもしれないよね……」


「そんなことないよ!
そもそも、菜々美がケガしたのだって、雄太のせいだし!
それなのに、アイツ、謝りもしないで、ホンット、ムカつくー!」


あたしが菜々美の分まで怒ると、菜々美は、なだめるように微笑んだ。


「まぁまぁ、おさえて、綾華。
戻った班から、お昼にしていいって先生言ってたから、お弁当にしようよ」


「あぁ! そういえば、おなかすいたー」


あたしが机に突っ伏すと、菜々美はクスクス笑いながら、カバンからお弁当の包みを取り出した。


あたしもカバンを机に乗せて、お弁当を出そうとして、思い出した。

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