黒縁メガネ男子に恋してる

3人で自転車をこぎながら、智哉が真喜子に話しかける。


「ジョギング、どこ走んの?」


「遼子さんが、この辺なら、河川敷のサイクリングロードがいいんじゃないかって」


「あぁ、あそこ、中学の部活でも走ってるの多いな」


「うん、そうみたいだね。
ただ、暗くなる前に、引き上げるようにって、注意された」


「あぁ、チカン注意の看板、けっこうあるし、そこは気をつけろよ?」


智哉は、あたしにも目を向けて注意してきた。


「うん」と笑顔でうなずくと、智哉も満足そうに微笑んで会釈を返してくれる。


よかった。


さっきの気まずい雰囲気は、もうまったくない。

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