黒縁メガネ男子に恋してる
「普通に回ってたんじゃ、ムリだな」
「ウソー!
せっかく頑張って、西のチェックポイント4か所回ったのにー」
2時間半、歩き回った疲れが、一気に押しよせてきて、思わずしゃがみこむ。
すると、転んだときの打ち身が、今になって痛み出してきた。
「あー、もう、最悪ーーーっ」
うなだれていると、目の前に手が差し出された。
「とりあえず、方法を考えるから、森林公園まで戻ろう」
方法を考えるって言っても……。
ここまで智哉は、最短ルートで回ってみせてくれた。
地図を読むのがうまいのは認めるけど、でも、時間がなさすぎるよ。
それでも、あたしは、しぶしぶ智哉の手をつかんで立ちあがった。