黒縁メガネ男子に恋してる

「いいよ。かけようじゃない!」


「よし、じゃ、取引成立な」


智哉はそう言うと……。




「すいません、ちょっといいですか?」


智哉が声をかけたのは、公園のベンチでひなたぼっこしていた、おばあさんふたり。


ふたりとも、70~80代くらい。


ひとりは小柄で丸顔、もうひとりはひょろっとやせてるキツネ顔のおばあさん。


ふたりは、おしゃべりをやめて、智哉を見あげた。


智哉、いったい、なにするつもりだろう?


あたしも黙って見守る。

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