黒縁メガネ男子に恋してる
「実は僕たち、学校の課題で、このあたりのことを調べているんですが、ちょっと教えてもらえますか?」
智哉は、優等生っぽさ全開のさわやかな笑顔で話しかけてる。
「あら、そうなの?
どうりで今日は、おたくの高校の学生さんたちがよく歩き回ってると思った」
キツネ顔のおばあさんは納得したようにうなずいている。
って、智哉、なに言いだしてんの?
びっくりしてなにも言えないあたしに構わず、智哉は質問を始めた。
「えっと、全部で4つあるんですが、まず一つ目。
隣の駅の近くに、石持神社ってありますよね」
「石持神社? あったかしら?」
キツネ顔のおばあさんが首をかしげると、丸顔のおばあさんが微笑んだ。