深海の眠り姫 -no sleeping beauty-
大好き。
大好き。
何回言っても、こうやって身体を重ね合わせても、全部伝えるのが難しいくらい、好き。
―――小さかったこどもは、何回も“死にたい”と思いました。
この世界に絶望して、光なんて見えていなかったからそう思っていました。
でも、今は。
…柔らかいまなざしと、あったかくて大きな手。
私の名前を呼ぶあの声があるだけで、生きていたいと思えるのです。
「環。…俺のこと、好きか?」
その声に、こどもはこう答えました。
「好きです。誰よりも、何よりも――…」
【END】
