深海の眠り姫 -no sleeping beauty-
「直人、さん。…私、ほしいもの、見つかりました」
そう言うと彼は顔を近づけてニヤリと笑う。
「なんだ?言ってみな」
「―――直人さんの全部がほしいです。この手も、あったかさも全部。…それ以外、ほしいものなんて」
見つからない。
そう言いきるのを待たずに、直人さんは私の唇を塞いだ。
小さなリップ音とともに唇はすぐ離れ、彼と視線を合わせて。
そうすると柔らかく笑ってくれて。
「いいよ、くれてやる。…今から一晩かけて教えてやる。俺はもうとっくに環のモンだってな」
私をひょいと抱えて寝室に向かう直人さんに、私はしっかりしがみついた。