深海の眠り姫 -no sleeping beauty-
(………猫)
ペット。
私は、芦谷さんの…
「………環ちゃん?」
全く動かなくなってしまった私を心配して肩を揺すりながらそう名前を呼ぶユウさん。
でも今の私にはそれに返事ができるほどの余裕がない。
結局芦谷さんも同じだったんだ。
あの人と同じように飽きたら私を捨て、て――…
「…環ちゃん!?」
何の表情も作れなくて、ただ涙を流す私の正面に回り手に持っていたタオルで私の涙を拭うユウさん。
そのとき私の耳には、バタバタと忙しない足音だけが聞こえてきた。