あなただけを愛したい
「時間もおせーし、そろそろ帰るか」



まだまだ夜景を見て、心を癒されたいと思ってはいたけれど……


いつの間にか夜も更けて、日付が変わろうとしていた。


いつまでも、こうしているわけにはいかない。



そのまま駐車場に戻り、竜一はゆっくりと車を走らせた。





「明日も来るから」



帰り際、竜一から言われた一言。


いつもはこんなこと言わなくても、毎日正門前で待っているのに……


竜一は本気、ってことなんだろうな。


そういうところは、凄くはっきりしているから、わかりやすい。



あたしも、航のことを想ったままでいるにしても、忘れて前に進むにしても……


ちゃんと気持ちの整理をつけなきゃならないのかもしれない。
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