あなただけを愛したい
「今から、……茜を呼んでもいいか?」



テルは、揺れることなく、真っ直ぐな瞳を俺に向けながら、はっきりとした口調で聞いてきた。



「……ん、……これで、最後にしてくれよ」



今のテルなら、解決できる……


そう確信した。






しばらくしてやってきた茜は、俺がいたことにビックリしながらも、テルの話に耳を傾け……


今までの二人はなんだったんだと思うほどに……


呆気なく……


すんなりと……


子供がテルの子であると、認めた。


そして……


まるで、俺がいることを忘れているんじゃないかと思えるこの二人は……


つか、絶対に忘れているこの二人は……


目の前でラブシーンを繰り広げていく。


思わず溜め息が出た。



「おまえらなぁ、……さんざん振り回しといて、それはねぇだろ?」



そんな俺の声に、顔を真っ赤にさせた二人を見ていたら、馬鹿馬鹿しくなってきた。



「俺、帰るわ。じゃあな。……あ、結婚式には呼んでくれよ」



そう言い残して、テルのアパートを出た。
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