あなただけを愛したい
*



車を飛ばして、アパートへ帰る。


今日は部活を一時間以上早く切り上げた。


学校にプライベートを持ち込むなんて、教師失格だな。


それでも今日だけは譲れねぇ。


俺にとって一番大切なものを手に入れるためだ。



五分でシャワーを浴びて、アパートを出る。




ピンポーン…



こうやって、ここへ来るのは三度目だ。


一度目は、柑那のことを亜衣さんと間違えていたことに気付いた時。


二度目は、茜が現れて逃げ出した柑那に会いに行った時。


二度とも、柑那に会うことはなかった。


でも今回こそは、ちゃんと会えると思いたい。



ガチャッ…



ドアが開いて顔を覗かせたのは……



「あれ?先生?」



亜衣さんだ。



「こんにちは。柑那はいますか?」


「えっ?柑那?えっと……」



なぜか口を濁す亜衣さん。
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