あなただけを愛したい
さんざん探し回ったけれど、柑那はどこにもいなくて……



「あ」



でも……


もしかしたら……



『誕生日に行きたいな』



そうだ!


海だっ!



慌てて車に乗り込んで、海へと走らせた。


こんな時に限って、目の前を走る車は制限速度をきっちりと守っているし、何度も信号には引っ掛かるし……


どこかイライラしながら、気持ちだけはもう、海へと向かっていた。





ようやく着いたときには、辺りはもう真っ暗で、人がいる気配もない。


目に映るのは、満天の星空と海を少しばかり明るくさせている、半分に欠けている月……


そして、耳に届く音は、静かに打ち寄せる波の音だけ……


ほんとに、柑那はここにいるんだろうか?
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