泣き恋心

幸せの反対に


ちえりside

放課後。
私は優に殴った理由を聞きに行った。
優とはあの事件(←大げさ)のあとから気まずかったから話しかけるなんて…って思っちゃう。
けど理由を聞かないことには仲直りができないと思う。

「優…ちょっと話さない?」
「…あぁわかった。」

そして中庭に移動した。

「で、何?」
「あっうん。…何で坂元くんを殴ったの?」
「………」
「言ってよ…。私は仲直りしたいんだよ…」
「…わかった。俺さ…嫉妬したんだ。ちえりと楽しそうに話してほしくなかった。最初は我慢してたんだけど…我慢できなくなって…ごめん…」

嫉妬…。優が嫉妬?…嘘だ…今まで嫉妬なんかしなかったのに。

「今まで嫉妬してなかったじゃない?」
「内心は…話すなとか…べたべた触るなとか思ってた。」

ホントなんだ…。
でも私なんか…

「私なんか付き合った時から嫉妬してる…。優はモテるから…でも普通殴らないでしょ!?」
「殴らないかもしれないな…けどその時は我慢できなくて…お前もだ俺がモテるからって…嫉妬すんなよ…」
「なっ何よ!嫉妬しちゃぁ悪いの?優だってするのに!!」
「別にそんな理由ですんなつってんの!ったく!もういい!帰るわ!」

そう言って優は走って中庭を出て行った。

「待ってよ!まだ話、終わってないから!」

私は優を追いかけた。

「はぁ…はぁ…ついてくんなよ!」
「話…終わって…ないから…」
「だって…話しても喧嘩になるだけだろうが!だったら話さない方がマシだよ!」

優が走るスピードをあげた。その時だった…

「あ!危ない!止まってぇー!優ぅー!!!」
「へ?うわぁー」

ドーンッキキキッー。

優…優ぅーッ!!

「優…優…!掟よ。掟またあの笑顔を見せて?ねぇ…」

優は起こることはなかった。
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