モテヤンキーにコクられて
「美桜~っ、来て来て! 今から柴田先輩が走るよ」



次に出場するリレーに備えて入場門の方に移動しようとしていると、サナがあたしを呼びにきた。



「えーっ……今から入場門に行かなきゃなんだけど……見たいかも」



あたしはちょっとだけなら……と思い、グラウンドの端から柴田先輩の姿を探す。



「最初に走るみたいだから、見たらすぐ行ったらいいよ。キャ~、楽しみっ!」



サナもキャーキャー言ってるけど、周りにいる女の子たちもなんだか騒ぎだした。



「あの先輩って、今朝トランペット吹いてた人だよね!? 確か、柴田って名前だったよ。あんなカッコいい人がウチの学校にいたんだね~」



開会式で目立ってたからか、柴田先輩の人気が一気に上昇した気がする。



ヤダ……!



柴田先輩は、あたしが目をつけてるんだからーっ!!



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