LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
歩美さんが小指だけを立てた手を差し出し、「約束して」と、言って来た。

小指を絡めれば、涙を浮かべながら、何度も「ありがとう…」と告げた。

その涙は決して落ちず、彼女の死への恐怖より。

成美を残す悲しみより。

姉としての強さが窺えた。



「ナルとずっと、仲良く居て下さいね。愛は変わらないから…」



高校時代から、誠之介さんと付き合って来た歩美さんには、説得力が凄くある。

果たされない永遠を感じる人が、居るかも知れない。

でもこの2人は、絶対に死しても互いを想い続けるだろう――…。




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