LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
“「成美が結婚したら、稲垣家は俺で終わり。だけどな、成美が子供を産んだ時、稲垣家を継いでくれるかも知れない。だから誠之介君が、稲垣を守るって」”



婿養子に来てくれた誠之介君。

…どうしてそこまで。

歩ちゃんだけではなく、私たちも愛してくれるの?



「歩ちゃんを…助けてよ…。お父さん…助けてあげてよ…っ…!」



無理だとわかっても、2人の愛を、少しでも長く続かせたい。

誠之介君となら、歩ちゃんはずっと幸せを感じて行けると思う。



「歩美はな!成美の事ばかりだ。海斗君との同棲を許せとか、仕事を減らして、成美と食事の一つでもしろって……いくつも怒られた」



父親の震える声に、もう我が儘なんて言えなかった。
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