LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「パパは、素直な成美が好きだ。決めてるんだろ?どうしたいか」



「…だとしても、このままの生活を続ければ、誠之介君に迷惑を……何?」



私の話が途中なのに、父親はジャケットの裏ポケットから茶封筒を出して来た。

「開けてみなさい」と言われて、私は黙って封筒を開き、中から2枚の紙を出した。



「戸籍標本…?」



何故か渡されたのは、私たち家族のモノ。

母親が亡くなる前に録られた分と、つい最近の分がある。



「パパの、宝物だ――…」



彼の大きな愛に、涙が溢れた。



「…誠之介君…っ…」



私には、思いもつかなかった。
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