LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「海斗さん、成美…?」



「芽…っ…」



「私たちも、ずっと一緒に居させて?2人の傍で、助け合いながら…」



「芽…っ…!」



「成美ぃー…」



成美は俺から離れ、芽ちゃんへと抱き着いた。

涙を拭い、立ち上がる。

スラックスのポケットに手を突っ込み、駐車場へと行く。

助手席のダッシュボードにしまわれた、一つのジュエリーケース。

先日、たまたま車で出勤した時の帰り道に買って、タイミングが見付けられずに眠らせてた。



「成美!」



ベンチの所へ戻り、ジュエリーケースを投げた。



「あ、い?ああ…っ!」



「………下川暢さん。空気を読んであげなさいよ」



あげる相手が違う…。
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