LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
優しくて、逞しい。

厳しくて、温かい。

普通だとしても、私には理想的。



「美味しい?」



「美味しいですっ」



「良かった!でも、不思議よね。血を分けたんですもの、何だか本当の娘に思えるわ」



…ちょっと、待って?

“血を分けた”って、私に?

誠之介君から、何も聞いてなかった話に、林檎を持つ手が止まった。



「馬鹿!何で今、言うかな…」



「え?私、不味かった?」



海斗が口止めしてたって事だろうか。

今じゃなく、いつ言うつもりだったの?

何も知らなければ、私はお礼も言わず、帰してたよ。
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