LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
海斗のお母さんが、「2人で話なさい」と、雰囲気の悪くなった私たちに気を使ってくれて、帰ってしまった。

海斗はお母さんが座ってたパイプ椅子に座り、「一つずつ、話そう」と、私の手を握った。

振り払わないのは、私自身…きっとかなり、海斗に惚れ込んでる。

誠之介君には“会いたくない”と言ったのに、会えば嬉しくて、離れたくないと思う。



「優里…あいつと会ったのはたまたまか?」



「…うん。前にも会って、妊娠してるって言ってたけど、今日、散歩しようと出たらあの人、皮膚科から出て来た」



「“皮膚科”?」



「アレルギーで通ってただけみたい」



海斗は優里さんにアレルギーがあるとは、知らなかったようだ。
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