LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「これに、あの子2人が結婚した時から貯めた、謂わば未来の子へ貯めた貯金がある」



「…はい」



「誠之介君は、いつか再婚をするかも知れない。だとしても、これは歩美が遣り繰りして貯めたお金だ。成美に子供が出来た時、使ってやってくれないか?」



通帳の記入欄を見れば、毎月2万ずつ預金してあった。



「…お義父さんから、成美に渡して下さい」



これは、俺からは渡せない。

歩美さんが、子供を授かる日を夢見て貯めたんだから。

誠之介君から託された、お義父さんからが良い。

俺にそんな大役、ダメだ。
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