LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
空になったビール缶を握り潰すと、紗英子が「うわっ」と、少し驚きながら見て来た。



「おま…、何をキレてるんだよ!?;;」



飯島を知らず知らずのうちに、睨んでたらしい。

「表情が豊かだったんですね」と、芽ちゃんに言われると、上がってたであろう眉は下がる。



「2人はヤキモチ妬きで、相思相愛ってわかる。わかるよ」



「お前は妬かないもんな」



「うん。男の嫉妬心が、私の心を揺れ動かすの」



…変な女。

何て、今更な事を言うつもりもないが。

こいつだからこそ、男にしては重い飯島に惚れたとわかる。
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