LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
下川さんが怒ってくれても、私だって言いたい。



「――最低なんだ。16歳にもなって、善悪が付かないなんて」



「何とでもどうぞ。今まで欲しいモノは全て手にした。だから、逃したくないだけです」



お客さんが居なければ、もっと言いたかった。

感情の起伏は、赤ちゃんを不安にさせたりするかも知れないのに。

怒りを沈めようとすると、涙が出そうになった。

深呼吸を繰り返しながら、気持ちを落ち着かせてお店を出た。

暗い夜空を1人で歩くのは、いつぶりだろう。

海斗のお陰で、恐怖心がなくなってる。
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