LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「こんばんは」



「こんばんは。夜分に芽がすみません。むさ苦しい場所ですがどうぞ」



「はい」



中に通されると、パイプ椅子に座り、手足を組んでる芽ちゃんが「どうも」と俺を見た。

彼女の奥には、俺たち夫婦の悩みの種である永井ナルミが。



「ついにやってくれましたよ」



「成美が泣いてたよね?その事も関係する?」



「えぇ。暢によれば、“子供を堕ろせ”…みたいな事を言ったみたいです」



「……」



あまりに酷(むご)い一言に絶句してしまった。

“堕ろせ”なんて、そう簡単に許される言葉ではない。
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