LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
それにしても、今までは誰にも声を掛けて来なかったのに、何で?



『呼ばれたんだろ?切るぞ?』



「うん;;後でね?」



『頑張れよ』



「ありがとう」と伝え、電話を切り、気が乗らない状態で、ホールへと出た。

雑誌を読んでるニヤニヤおじさんに近付き、頭を下げる。

年齢は、50代後半だろう。

頭髪に混じる白髪。

いつも迷彩柄の服。

異様な雰囲気が、苦手だ。



「呼び出してごめんね」



「…いえ」



お客さんにこんな気持ちは持ちたくないが、正直、芽の言葉を借りれば“キモい”だ。
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