LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「わかってたわよ!」と、強がってるわりに、額に冷や汗をかいてる芽は、ハンドルを固く握って去って行く。



「大丈夫かな?;;」



「信じて……心配だな;;」



駆け足になりながら、手を繋いでお店へと急ぐ。

コインパーキングで失敗して傷付けたりしたら、笑えないし。



「…どうした、いきなり…」



お店を目前にした横断歩道。

青信号を歩いて渡って来る、鈴金さん。

基(もとい)、ニヤニヤおじさんが、私たちを見て……笑った。



「――あいつか」



海斗の問い掛けに頷くと、グイッと繋いだ手を引かれた。
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