LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「夢だって言って…これは夢だって…ッ…!!」



「成美…」



嘘で気が晴れるなら、いくらでも並べてやりたい。

だが、この現象を夢には出来ない。

誠之介君は処置室を出て行き、成美は俺の胸を叩きながら、大声で泣き出した。



「みんな居ない…どうしてぇ゛…!!」



「俺も誠之介君も、お腹には子供が居る。“みんな”じゃねぇよ成美…っ」



「…うわぁーん…っ゛…」



成美の泣き声に、胸が痛む。

お義父さんに敵わない。

そして、まだ守り切れてない自分が歯痒い。

でも、新しい家族を作り、成美に生きて欲しい。
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