LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
永斗と永美にもう直接、会えて居る。

無菌の羽織りを来て、NICUに入り、手袋は欠かせないが、2人の手に触れれば、小さいながらにぎゅっと握って来た。



「パパが見えるか…?」



薄目を開けた永美に声を掛けると、更に力を増す。

これが親と子の絆なんだろう。

言葉が通じなくとも、わかり合える。

永斗は泣き疲れて眠ってしまったらしく、全く起きる気配はない。

頭を撫で、後ろ髪を引かれながら、成美の部屋へと戻った。

母親と交代し、持って来た着替えに着替え、付き添い者用のソファーベッドを広げて横になると、成美の指が、ピクリと動いた気がした。
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