LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「2人で、一からやり直そうや」



「…無理ですよ…」



私の気持ちは、福智さんにはない。

それを教えてくれたのは、皮肉にも福智さんだったけど…。



「成美が好きなんや」



「…こ、来ないで…」



ズリ足で近付いて来る福智さんから、私は一歩ずつ後退り。

捕まれば、海斗さんに会えないとわかるから。

海斗さんと会えないなんて、私には考えられない。



「成美――ッ!!」



福智さんが怒鳴るように、私の名前を呼んだ。

その瞬間、私は一目散に走り出した。

…助けて…。

助けて、海斗さん…!!
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