LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
恐る恐る、振り返る。



「…福智、さん…」



そこには、いつもはビシッと着てるスーツを着崩し、髪を乱した福智さん。

私にすがるような目が恐い。



「どうしてうちが…?」



「副店長から、聞き出したんや」



今は確か22時過ぎ。

聞き出して、来るには十分な時間だった。

こんな時に、海斗さんや誠之介君たちが居ない。

1人の時に会うのは、避けたかった。

私はそんなに、強い人間ではない…。



「なぁ、何で連絡しても出ぇへんのや…」



「だって…」



…もう、付き合えないから…。
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