LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
【4】思い出をたくさん
N//不思議な頼み事
「こんな時間に来て、海斗さんが帰って来ない?」
17時を過ぎた頃、私は発注だけをしに、お店へと来た。
芽が心配そうに時計を指すが、私は「大丈夫」と答えた。
「ご飯は作って来たし、何より今日は残業らしいから」
「何の仕事してるの?」
「んー?飲食業界の森フードの法務課」
「大手じゃない!!」
…芽も知ってたんだ。
私は全く知らなかったけど、誠之介君に「知らない人は、子供と成美ちゃんだけだよ」と、電話で言われた。
優しいのに、はっきりと言ってくれた。
…知らないんだから、仕方ないじゃない。