LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
【4】思い出をたくさん

N//不思議な頼み事




「こんな時間に来て、海斗さんが帰って来ない?」



17時を過ぎた頃、私は発注だけをしに、お店へと来た。

芽が心配そうに時計を指すが、私は「大丈夫」と答えた。



「ご飯は作って来たし、何より今日は残業らしいから」



「何の仕事してるの?」



「んー?飲食業界の森フードの法務課」



「大手じゃない!!」



…芽も知ってたんだ。

私は全く知らなかったけど、誠之介君に「知らない人は、子供と成美ちゃんだけだよ」と、電話で言われた。

優しいのに、はっきりと言ってくれた。

…知らないんだから、仕方ないじゃない。
< 95 / 538 >

この作品をシェア

pagetop