記憶が思い出に変わる時(仮)




「…優梨」

「なに…?」


ベッドの端と端。

でも背中には日向の体温を
少しは感じていた。


「まだ、陽希のこと…お前は……」

「陽希…?」

「………いや…」


何が言いたいのか
わからなかった。

でも、陽希について言えること。


「陽希は…あたしの
大切な人だよ。


これからも、ずっとずーっと。


あたしが忘れる事のない人。


…でも、
もう2度と会えない人。



事故の事だって知ってた

今までは聞かなかった事に、
見なかったことにして
信じなかった。

…あたしね、
日向に会って変われたよ」



「俺に…?」


「日向が、
あたしに前を教えてくれた。
前を見させてくれた。


…陽希は日向に似てる…


バスケがうまいとこ、
英語ができる事、
優しいこと…


でも日向と陽希は違った。


…言葉では言えないけど
全然、違うよ…」


どこまで伝わったのか
わからないけど


「だから、ありがとう…」

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