蒼幻の天使~A Solitary Flower
10代のように見えるけど……。

これは若い頃のママの姿だ!!

なぜ!?

どういうことなの!!

蒼の風が私を包み込むようにうねりを上げて巻き上がる。

私の長い髪がゆらゆらと、天を切り裂かんばかりに上昇する。

なに、なんなの……この感覚!!

でも、わかる。

わかるわ。

この風は、私のもの。

この光は、私のもの。

この体を包む全ての能力(ちから)は……


「汝のものだ」


え!?


低く、だが、水が流れるように艶やかな声がミラーに反響し美しくこだまする。

目の前の男がドっと音をたてて倒れたと同時に、蒼の瞳が浮かび上がる。

「だ、誰!?」

放たれた蒼の光の中に浮かび上がるその男は、シャープに切り取られた輪郭に艶やかな黒髪をなびかせ、その切れ長な瞳には……アイスブルーが輝く。

ブルーダイヤを間近で見たなら、こんな輝きなのではないだろうか、と思えるほどの高貴で神秘的な「蒼」。



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